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古代エジプト展でみた労働環境から感じたこと

    291

    スタッフ291のちょっと一息Tea Break

    スタッフ291です。

     先日、六本木で開催されている古代エジプト展に行ってきました。大変な来場者数で、会場内は大混雑。最近では、美術展でも博物展でも、イヤホンガイドを借りることにしています。耳からの情報にカバーされ、説明書きを近くで読むことが難しい場合でも十分に展示を楽しむことが出来るからです。

     展示室内には、ヒエログリフの描かれた石板やミイラなど、ザ・エジプト!な展示も勿論ありましたが、当時の人々の暮らしが紐解かれた展示内容をみることで、何千年も昔に生きた人々に感情を感じ、時を超えて色鮮やかにその当時の生活や人々の思いへのイメージが膨らみました。

     中でも私の目をひいたのは、職業に関する展示について。当時の職業で最も権威があり、親が子に就かせたい仕事ナンバーワンは、「書記」という職業で、行政に携わる重要な仕事だったようです。出土した骨から、関節炎などの職業病の跡が見つかっていたり、書き損じる・間違えるということは決して許されるものではなかったりと、過酷な労働環境下であったのではと想像されました。

     私は、申請業務を主としていますが、基本的に間違えることはあってはなりません。日々何度も確認をして進めていきます。それでも、人為的な手続きに間違いが起きないことの確証はありません。そのため、間違いが起きないための「組織としての工夫」を考えて日々業務にあたっています。「組織としての工夫」というと、なにかすごいシステムなのかと思われがちですが、

    ・気を付けるべき箇所にアラートを立てておく

    ・一人で抱え込まず業務を見える化しておく

    ・不明な点はきちんと確認を取る

    などといった小さな工夫の積み重ねです。

     今のところ大きなミスもなくお客様に業務終了をご報告出来ており、新たな業務にも余裕をもって取り組むことが出来ています。それは、ミスを個人の問題として捉えるのではなく、組織の問題として捉えて働くことが出来ているからではないかと思います。労働者として、「組織としての工夫」の考え方は、働く環境の良さ(事務所内の快適さだけではなく、心が元気に仕事に向き合えること)を作り出していると思います。建設的な考え方のため、個人的にも、とても好きな考え方です。

     社会保険労務士事務所に勤務する者として、労働者の環境に興味を感じるのは自然なことですが、現代の労働環境は、これまでの反省をより良い方へと常に改善をしていったことの積み重ねの賜物だと思っています。とはいえ、4000年以上も前の、ましてやエジプトの労働環境が、今の環境に直接に影響しているとは思えませんが。